FC2ブログ

「もう今じゃこんな布は手に入らない」

この20年くらいで大きく変わった事がある。

良い布がどんどんなくなった。

例えば、バングラデシュで、昔から一緒に仕事をしていた少数民族の人たち。後帯機(いざり織り)で素晴らしい布を織る人たちだけど、マイクロクレジット(ノーベル平和賞をもらって一躍有名になった無担保ローン)の大流行りを受けて、皆さん高機を買ってサリーを織り始めた。

高機のほうが仕事が楽だし、サリーのほうが換金しやすい。つまり、伝統的な織物は、自家用か、物好きな外国人くらいしか買わない。それに引き換えサリーだったらベンガル人向けに売る事が出来るわけです。

もちろん、モニプリの人たちの織るサリーが悪いわけじゃない。彼ら独自のデザインを入れてあって、それはそれで素敵な布なのだけど、あの密度の高い腰巻きを織らなくなって、工業製品のマキシ(ネグリジェみたいな普段着)やシャルワール・カミュージュ(ダボダボパンツとワンピースとスカーフのセットになった南アジアの民族衣装)を着るようになっているというのも寂しい話しだ。

ベンガル人には好評で、良く売れているそうだけど、わたしはモニプリの人が織るサリーが好きじゃない。布に対してときめかない。モニプリの人が織る緻密な腰巻き、モニプリの人が織る天女の羽衣のようなショールの美しさがなぜかサリーにはない。そこにはモニプリの人がサリーを織る必然がお金以外に感じられない。どんなにデザインを工夫しても、技術を使っても、サリーを織らせたらベンガル人に敵わない。


そんなことを、着物を織らずに、着物も着れずに洋服を着て暮しているわたしが嘆くような問題じゃないとおもうのだけど、布を織る事とお金が結びついてしまうと、どうしても粗製濫造というと言葉は悪すぎるかもしれないが、ちょっと雑な感じになってしまうのは仕方が無いと思う。どうして雑になるのか?それは値段がそれなりにきちんと付かないからだ。

温亀さんの袋を縫っていて、だんだんと布が足りなくなって来たので、ちょうどチェンマイに仕事で行く夫に「これと同じものを買って来てね」とモン族の人が織るヘンプのハギレを渡して探してもらった。

夫はたいへん優秀な日本人タイ語通訳者を引き連れ、いつもの探偵のような粘り強さで探してくれたが、彼が行く先々で聞かされた言葉は
「もう今じゃこんな布は手に入らない」
チェンマイは少数民族の人たちの布の集積地。チェンマイでなければほんとに今でも車の入れないようなラオスの山奥にモンの人たちを訪ねて行かなければもう手に入らないということだ。

IMG_2975.jpg
手前の三角のハギレは20年くらい前にチェンマイで服になっていたものの布。後ろの反物は今回夫が見つけてくれたもの。

糸の太さはあまり違わないけれど、織り密度が全然違う。白い反物は漂白して糸が痩せているのかもしれないけれど、あの小さな三角のハギレをみて、布商人が「もうこんなものはない」と言った違いが写真でわかるかなぁ?

IMG_2976.jpg

20年前の布に比べたら見劣りするけれど、この反物も貴重なモンのひとたちの手仕事に違いない。紡績ではなくて、績んで作った糸なのだから。

ヘンプ(大麻)はマイナスイオンが出るとか、色々良い効果があるそうです。ヘンプの亀さん袋をお届けした方からは、「不思議な肌触りです」とおっしゃる方がおられたり、やっぱり身体の悪いところを温亀さんで治したい人にはヘンプが良いのだと思います。

それにしても、ほんの20年くらいで手織りものの世界のなんと変わってしまった事か。変わってないのはわたしの布くらいなものかもしれません。

ひつじパレット、いよいよ明日からです。
烏丸御池からすぐの京都文化会館で入場無料です。
わたしも土曜日の夕方と日曜日の夕方に会場にいる予定。もちろん作品も出品してます。

ヘンプはマイナスイオンを出すらしいけれど、羊毛は有害物質を吸収して、空気の浄化作用があるのよね。やっぱり身につけるなら天然繊維に限ります。

ああ、どこまでも布キチガイなわたし。

今日はぜんぜんローフードじゃないけれど、オーガニックということで
ランキングに参加しております。
いつも応援ありがとうございます。
にほんブログ村 料理ブログ ローフードへ
にほんブログ村
にほんブログ村 有機・オーガニック