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やっと織り上がる。

わたしは織物はテクスチャーだと思っているので、糸を紡いで、その糸が最高のパフォーマンスを発揮できる布を作りたいと思っている。糸の良さを表現するのは、シンプルなほうがいい。糸は単糸が最高。単糸で平織りが好き。単糸で平織りの織物は時々撚りの関係から布にシボが出たりする。これを嫌う人も少なくないけれど、わたしはこの糸と織物組織のせめぎ合いから生まれる不思議な表情も大好き。

単糸の平織りの無地の素晴らしいショールを売っている店がある。
エルメス。
エルメスのカシミアのショールも美しいと思っていたけれど、新しくコットンの無地のショールも最近売り始めた。
日頃は間違ってもエルメスなんぞに入らないわたしですが、シドニーで母と一緒だったので、気が大きくなってちょいと冷やかしてみた。「何かお探しですか?」と聞かれたので、「カシミアのショールを拝見させてください」とお願いし、撫でたりさすったりして、自分の作るショールと頭の中で対決させてみる。うーん、エルメスのほうが糸は細いがまぁ、こんなもんだろう。

「新しい商品でコットンのこのようなものがあります。日本で織っているのですよ」と見せてくれたショールが素晴らしかった。草木染めで、無地で、単糸で、平織り。しかも、糸は梳毛のように見えた。「いや〜、素晴らしいですねえ。糸はどこで作っているのですか?木綿の梳毛なんて珍しいですねえ」
糸はブラジルだと言っていた。お店の人が紡績のことまでご存知なのかどうか、怪しいなぁと思いながらも、エルメスのブランド力があるからこんな作品が出来るのだなぁといたく感激した。

しかし、エルメスといえども、極細の手紡ぎ糸などは使えまい。わたしは糸から作るもんね〜、細いから進まないよぅ〜、とせっせと織っていたショールがやっと織り上がった。

IMG_3492.jpg

織り上がったショールは95gだった。房を作るのにまた1日掛かる。ああ、大変。

房を作り終わって身に纏ってみたら、ウールやカシミアと違って、身体に添って、とても纏いやすいショールだった。
明日は水に通して仕上げをする。そして、また秤と電卓と糸を机に並べて、次のショールの準備をする。

1枚織り上がると、嬉しさと一抹の寂しさが心の中で同居する。
早く次の1枚とシッポリしよう。また良い布ができますように。
あぁ、幸せ。

個展の日程も決まりました。11月の最終週です。

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