「九州の椎茸からセシウム」という拡散についてつらつらと思うこと。

先週あたりから、ツイッターやフェイスブック(以下FB)で「ついに九州の椎茸からもセシウム!」というようなタイトルで、九州の農産物から福島由来のセシウムが出ているような記事を見かけます。

これは、グリーンコープが発表したものがソースになって、拡散されています。たとえばこのようなブログ。http://ashitanorekishi.blogspot.jp/2012/07/blog-post_18.html
このブログはある意味良心的で、福島由来とは書いてない。だけど、記事を読むだけで、グリーンコープのソースまでチェックしなければ、いかにも宮崎の椎茸にも福島由来の放射能が出ていると読めてしまう。

ツイッターでもこのように。

ついに…(泣)RT @5n6 キノコはやはり日本全域でダメかQT @saito_mitsuo【熊本県のシイタケからセシウム】グリーンコープが放射能検査を行…熊本県阿蘇郡の「原木生しいたけ」から、1キロあたり5.33ベクレルのセシウム検出http://bit.ly/MSo0hA



ここでも福島由来とは書いてないけれど、”ついに・・・”という表記から、読む人は今まで大丈夫だったものが汚れてしまったと思うだろう。

しかし、実際はどうかというと、
セシウム134は検出限界以下で未検出、セシウム137のみが5.33ベクレル検出されている。生椎茸で5.33だから多いかもしれない。わたしの広島の干し椎茸はセシウム137が14から19ベクレル(これは京都大学原子炉実験所の今中さんと小出さんに測定してもらった)

セシウムは出るけれど、これは福島由来ではない。だから「ついに!」出たわけじゃなくて、今まで北半球では等しくこれくらい汚染されている、という証拠であり、なによりも福島由来の放射能は九州の椎茸から(ついでに言うと広島の椎茸からも)出ていない、ということだ。

この点FBの友人に指摘したら、その方は「原木がどこのものか問い合わせてみます」と返事をくれた。しかし、ちょっと待ってくれ!と言いたい。

わたしはグリーンコープ(以下GC)の組合員を20年ちかくやっている。GCはチェルノブイリの後からずっと椎茸などハイリスクな食品の放射能検査を続けて独自の基準を設けていた。今回の福島原発事故以来、今まで外注に出して検査していたものを、自前の器機をシンチレーション式を2台、ゲルマニウム半導体検知器(小出さんなども使っている一台2000万円する精密なもの)を一台設置し、部屋を作って人を配置して、GCで扱うあらゆる食品を検査し、結果を発表している。

わたしたち組合員は、月々出資金を積み上げ、牛乳の独自工場を作るといえば、お金を出し合い、搾乳のためのタオルを寄付し、水害や台風があれば生産者に経済的な支援をし、口蹄疫や鳥インフルエンザなどの災厄があれば、酪農家や養鶏家に支援をし、生産者と深い関係を築いている。グリーンコープは自分の欲しい食べ物を作るための生協でただの共同購入ではない。

今回の検査結果もわたしたち組合員と生産者の共有財産だ。生産者も組合員も結果を見てそれをどう引き受けるのか、自分の頭で考える、そのための測定器であり、測定室であり、検査結果の公表なのです。

心配しなくてもわたしのFBのお友達はGCの5ベクレルの椎茸を食べることはないだろう。食べるとしたらわたしの方だ。だけど、その人は誰の心配をしているのか分からないけれど、原木がどこから来たか聞くという。

生協はかなりギリギリの人員で運営しているのに、組合員でもない人がネットで見た情報から問い合わせる。職員の時間を割くという。
職員は組合員のために働いているわけで、組合員で無い人の質問に答える義務があるのかどうか。わたしにはわからない。わたしは組合員だから、外部の人はうちの職員の時間を盗まないでほしいと思う。

そんなことしなくてもわたしが答えてあげよう。原木椎茸栽培の原木がどんなものかご存知だろうか?1本の木を持ち上げるのに、両腕にかかえてヨッコラショ、と運ぶような立派なものだ。だからわたしの広島の椎茸の原木はそこの山にあるものだし、GCの原木椎茸の原木だって九州の山のものだ。
福島は椎茸の原木の産地らしいけれど、それならばセシウム134が出ているはずだもの。

わたしの意見に対して、わたしの知らない人は、こんなご意見を下さった。

核実験由来であっても、原発の通常運転のものでも放射能が体にいいわけないので知っておく必要はあるのではないのでしょうか。



当たり前だ。放射能がいいわけない。だからもうキノコはたべものじゃないと思え!というなら話しは分かるが、この人は椎茸は食べ物だと思っているからガタガタ言うわけだ。

放射能は恐ろしい。食べないに越したことはない。ならば食べない人になればいい。しかし、この人たちは今までと同じように食べたいから、自分の口に入るわけでもない生協の食品について心配してくれるわけだ。

放射能が心配で食べ物について調べている人たちは、少食を身につけることも真剣になさればいい。

甲田療法をやれば、青汁いっぱいで生活出来る人にいずれなるでしょう。そうなれば、1日150gの青菜さえあればいいのだから、ご自分が納得できる清浄な環境でご自分の責任のもとに栽培できるでしょうし、そのような方は週に1日は断食をなさるし、時々一ヶ月くらい断食なさるので、ベクレた食べ物を食べるチャンスはどんどんなくなります。

これは真面目に取り組む価値があるものです。食べ物は全て汚染されているのです。検査されてないものはどれほど汚れているのかわからないのです。

GCの組合員は月に一度検査結果(PDFで公開されているのと同じもの)を印刷物で受け取ります。本当に丁寧に検査されていて、だから組合員は安心して検査済みの食べ物を食べられます。椎茸に5ベクレルでてたとしても、GCで買う椎茸は5ベクレルしか汚れていないということです。椎茸をたべたければ、GCの椎茸を食べているのが一番安全だとも思うのです。

さて、明日から3日の集中講座ですね。
明日は16時から、キチュリ(炊き込みご飯)ベグンバジ(揚げ茄子)モロヘイヤ炒め、ベンガルサラダなどを予定しております。内容は買い物次第で変わるかも。広島のお野菜、たっぷりお楽しみ下さい。

遠くからお越しのみなさん、どうかお気をつけてお越し下さい。


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コメント

キノコの食べ方

キノコ食べたらいいじゃないですか。茹でこぼして。
鍋に入れたけりゃ入れたがええんとちゃう?
最後に雑炊やうどん入れてお汁飲まなきゃいい。
キノコ生涯食べなくたって栄養素足りへんで病気になることもない筈。

熊取で検査した後の食材の行方を今中さんにお聞きしたら「ちゃんと茹でて食べましたよ」と仰ってた。
さて、今発売中の雑誌『SIGHT』52号に今中さん執筆してはるけど、何書いてはんねんやろ?

Re: キノコの食べ方

> お松さん
わたし、そのまま食べてるわ。
19ベクレルの干し椎茸も戻し汁使ってるし。いままでもそうしてたし、これからもそうするんやろうなぁ。
子供にはキノコの味覚えさせない方がいいよな、と思いますが、ベジベジ食べてる人はけっこうキノコたべさせるんだよなぁ。心配です。

今月のsightは今中さんですか。また買わねば。

No title

『SIGHT』最新号について、某MLでみかけました。

http://ro69.jp/product/magazine/detail/69588


SIGHT 52号

総力特集:食べられないのか、住めないのか
──語られない内部被曝と除染の「本当」


3・11から1年3ヵ月。これで5号目の原発問題特集となるSIGHTは、福島において、いや福島においてだけでなく、日本において喫緊の、そして深刻な課題である「除染と内部被曝」をテーマとしました。
放射性物質の除染は本当に可能なのか、不可能なのか、どのくらい有効なのか、または無効なのか。農産物・海産物など、食物からの内部被曝の問題は、今の日本においてどのくらい深刻な状況であるのか。
その現実を知り、把握した上で、我々はどう考え、どう判断し、どう行動すればよいのか。それを考えるための特集です。
医療、放射線量計測、調査等、現地の最前線で活動し続ける方々へのロング・インタヴュー7本で構成した特集、ぜひお読みください!

<インタヴュー>
今中哲二(京都大学原子炉実験所助教)
石田葉月(福島大学共生システム理工学類准教授)
植松光夫(東京大学大気海洋研究所教授)
浦島充佳(東京慈恵会医科大学准教授)
上昌広(東京大学医科学研究所特任教授)
山内知也(神戸大学大学院海事科学研究科教授)
菊池誠(大阪大学サイバーメディアセンター教授)

雑誌コード:09798-08
発売日:2012-06-30
定 価:780円

No title

 いつもながらの 精緻な記述と正確な論理展開に感嘆させられております。
最近 放射能と食べ物に関する本の発行が増えてきています。
わたくしも数冊購入して読んでみたのですが 事実と推論と願望が一緒くたになっていて混乱しておりました。
ぺんぎんの台所の読者となれた幸運を喜んでおります。

以前 勘違いして別の方の本”ペンギンさんの台所”を買って読みましたが ものたりなく感じておりました。
このブログをまとめられて 発行されたらと最近思っております。

Re: No title

> お松さん
どうも詳細ありがとう。なにもコメント欄でなくても・・・

>ヒロ湖さん
ヒロ湖さんにそこまで褒めて頂いて恐縮です。出版のお話しですが、手間ばっかりでお金は儲からないので、まだしばらくは細々とブログと料理教室と作品展で細々と。
友達の編集者がレシピ本出すか!と半分本気で言ってましたが、料理の内容が雑多すぎるので、もうちょっと時代が成熟してからだなぁ、と。

そのうちに甲田療法の生菜食の作り方から、ベンガル料理の鳩カレー、マハラジャ・ソースまで1冊にまとまった究極のグルメなレシピ本を書いてみたいです。本能と欲望が絡み合うものすごいカルトな料理本になるでしょう。

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