ブランケットの仕上げ。

わたしは羊の毛を紡いで糸を作ってから布を織る、というまどろっこしいことをやっています。
手で紡いだ糸でも、紡績の糸でも、毛織物は必ず縮絨(しゅくじゅう)という仕上げをします。

なにをするか?というと、織った布を石けんのお湯の中でもみくちゃにして縮める、ということをやります。この作業によって布の風合いを出すのが毛織物最大の特徴ではないかと思います。
もちろん、闇雲にもみくちゃにすると、布は中心に向かって縮んでいくので耳はベロベロで真ん中が固くなるということになりますから、そうならないように縮めなければいけません。

毛織物を織る時は、縮めることを計算に入れて、ちょっとスカスカに織るんです。この辺の兼ね合いがまた難しいところで、ウールを普段扱わない人がウールを織るとガチガチの布が出来てしまったりします。
餅は餅屋、というところですね。

織ったばかりの布というのはコリコリしていて、経糸と緯糸がしっくりしていないのですが、それをお湯の中でごにょごにょしてあげると経と緯がしっくりして、ちょっと布に粘りが出るというか・・・まぁ、簡単に言うと風合いが出るんです。この縮絨の具合がまた難しくて、どの程度で止めるか、どこまでやるか、でその作家性というか、作り手の性格が出るように思います。

今回織り上がった布は、「んまぁ〜ステキ!」というような布だったので、縮絨にも気合いが入ります。間違いのないように、慎重にやらないと、ここで失敗したら今までの苦労が文字通り水の泡というか石けんの泡・・・

お風呂場を片付けて、仕上げ工場に変身させ、布を敷いて、石けんを溶かしたお湯をジョウロでまんべんなく注ぎます。

IMG_3828.jpg

そして、布の上をママブーツを履いて足の幅ずつ行ったり来たりしながら布を踏みます。石けんのお湯を掛けては踏んでいくうちに、汚れや余分な染料が落ちて来たらやっと少し泡が出てくる。

IMG_3829.jpg

こうやって布を踏みながら縮めると地の目が狂わないので、とても面倒だけど大事なプロセスです。マフラーくらいなら踏まなくても地の目を狂わさずに縮める事ができるけど、服地やショールくらいの大きさになると、真ん中ばかり縮んでしまったりするので油断なりません。

布の位置を替えながら、せっけんのお湯を掛けながら足踏みすること1時間。縮絨が進んでくると、ママブーツの裏からも独特の感触、つまり、ちょっとモッタリした感じが伝わってくると、だいたい良い感じになったお知らせです。もう脚もパンパン、気分もウンザリする頃です。

石けんの泡が立つようになったら、もうそれ以上石けんを掛けるのはやめて、お湯だけ掛けて踏みます。まぁ、すすぎと縮めることを兼ねているんです。

泡も消えて、石けん気も消えて、脚もパンパンでウンザリしたら、次の工程。

衣装ケースにお湯を張って、その中に布を入れて、お風呂のかき混ぜ棒で突くこと30分。

IMG_3831.jpg

すすぎも兼ねているのですが、縮絨を進めるのと、毛羽を立たせるのが目的です。腕や背中が悲鳴を上げる頃、お風呂の棒に伝わる感触がモッタリしてきたら出来上がりのお知らせ。もうちょっとやろうか、この辺でやめておこうか、時々布をチェックしながら判断します。

風合いも出ました。

IMG_3832.jpg

この後幅だしという作業もありますが、布を見てみたら必要なさそうなので、軽く押さえて水気を切ったら、物干竿へ GO ! 幅を整えて、干します。

布が8分くらい乾いたら、アイロン。房を揃えたら出来上がり。

IMG_3833.jpg
はぁ〜、素敵。

今日は朝早くからやったので、1日で房を揃えるところまで出来ました。
よく晴れた縮絨日和の日曜日に感謝!

ランキングに参加しております。
いつも応援ありがとうございます。
にほんブログ村 料理ブログ ローフードへ
にほんブログ村
にほんブログ村 有機・オーガニック
関連記事

コメント

No title

わーホント素敵ですー。色も柄も。手触りもよいのだろうなー。

Re: No title

> くまふみさん、
是非現物を触ったり身体に巻いたりしてみて下さいね〜。
ほんとに素敵なんです、って、自分で言うか!というくらい素敵なの。

コメントの投稿