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温亀作者、金九漢(キム・クハン)氏に聞く。その1 青春。 

韓国旅行の目的は、酔っぱらう前にクハンさんに温亀の話しを聞く事でした。事前にクハン氏の友人にお願いしておいて、時間を取ってもらい、利川のホテルまでお越し頂いて、ホテルのお部屋でお聞きしました。

温亀ってなに?の人はこちらをご覧下さい。→http://penguinkitchen.blog54.fc2.com/blog-entry-1098.html

クハンさんはとてもお話しの楽しい方で、話題も豊富で、話しはどんどん枝葉のほうへと伸びていくので、こちらも興味がどんどんあちこちに広がって・・・収集がつかなくなりそうでしたが、同席してくれたK美ちゃんとGBマダムの厳しいツッコミで、なんとかかんとか・・

というわけで、どれだけ文章で纏められるか、まずは温亀ブログに掲載されており、温亀購入者には付録として添付されるクハン氏のプロフィールご覧下さい。
On Kame(温亀)

ザックリとクハンさんの半生を解説すると、
百済の末裔で、お祖父さんは皇帝の漢方医だった方だそうですが、クハンさん幼少のころに家は没落、東大門の外の貧民窟のようなところで育ちます。
笛の名手でソウル大学の音楽科に進学しますが、学生運動にのめり込み、逮捕、拘留、拷問にあい、薬指の付け根を潰され音楽家への道を断念、彫刻へと軸足を移します。

ソウルの町をクハンさんと車に乗っていて、西大門の近くにくると、「ここがわたしの大学ですよ、大変お世話になりました。もともと日本が朝鮮の政治犯のために作った刑務所です」と教えてくれます。

ご本人曰く、「警察をぶん殴って逃げたり、半分殺しにするようなことばかりしていたような人間ですから、今でいうとテロリストですよ」という凄まじい青春。国家権力(朴正煕時代)からの追跡を逃れて、韓国の山中を逃げ回る日々の中である陶芸家と出会い、陶芸の道に進みます。そんな日々に、農民運動とも関わり、焼き物とともに土への興味を深め、それ以来ずっと土の研究をしているそうです。かれこれもう30年以上になるんじゃないかなぁ、とおっしゃってました。

ついに命の危険にまで晒され韓国にいられなくなったクハン青年は、日本に逃れ、東京大学美学科の研究生として日本での生活を始めますが、日本に着いたときには所持金が3000円しかなかったそうで、存命だった藤本敏夫氏(加藤登紀子さんの連れ合いで学生運動から有機農業をやっていた人)、唐十郎氏(演劇)、李恢成氏(小説家)など日本にいる友人たちの援助を受けて亡命生活を送る。お金のなかったクハンさんは、陶印、青磁と白磁でできたハンコを作ってお金にすることを思いつき、日本の保守系有名政治家にたくさん売って日本での生活資金にしたそうです。(この話しは大変愉快な話しなんだけど、本題から逸れるので、また別の機会にでも)

ハンコというのはとても難しく、真っ平らにならないといけないのだけれど、青磁は真ん中が膨らんでしまい、白磁は中央が凹んでしまって平にならないらしい。それをクハンさんは土の研究の成果から、珍しい陶器のハンコを作ることが出来、彼の日本での亡命生活を支えたわけです。

東京大学での勉強は退屈だったそうで、すぐに外大で日本語の勉強を始めた、というお話しは以前お聞きしました。だから日本語の読み書きも堪能でらっしゃるのですね。

「日本にずっといたらいい、土地も提供するから、工房を作れと」言ってくれる人もいたけれど、クハンさんは1987年12月、帰国します。盧泰愚政権の時です。

結局クハンさんは、8年ほど日本で活動をしていたのですが、日本にあって韓国朝鮮にはない病気に気がつきました。

IMG_4064.jpg
クハンさんの工房になにげに飾られていたぺんぎんとふくろう。うちには冷蔵庫と冷凍庫の中にいる。

つづく。

金九漢さんからの聞き取りは、2013年1月24日、利川にて行われました。
この連載は、このたびのインタビューを中心に、これまで九漢さんから直接お聞きしたことから再構成しています。
無断転載・無断引用、お断りいたします。

温亀作者、金九漢(キム・クハン)氏に聞く。その2 百済の陶工が残した仕事
温亀作者、金九漢(キム・クハン)氏に聞く。その3 金九漢さんの作品のこと。
温亀作者、金九漢(キム・クハン)氏に聞く。その4 金九漢さんの妹さん。
温亀作者、金九漢(キム・クハン)氏に聞く。最終回  温亀の素材の不思議。

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コメント

Hi

金さん。伴野です。私もPH生活なので中々お会い出来ずにいますが、バリのウブドで知った方(プロフェッサーで自分デザインのホテルも持っている方)が陶芸家を探し求めています。今年中に金さんをお連れしたいと今日、日本宅を訪ねたら韓国に帰ったばかりだと奥様だけにあってきましたよ。
太字の文

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Re: Hi

>伴野さま
申し訳ございませんが、このブログの管理者は九漢先生ではございません。九漢先生には直接ご連絡下さいませ。

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