「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」

久しぶりにすごい映画を観た。
このところアルマジロとかシェフ!とか、すごい映画ばっかり見てるけれど、これは桁違いだった。

「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」

誰も覚えていないような昔の山奥の小さな村で起こった事件。当時のニュースフィルムと役者を使ったフィクションを組み合わせて表現された奥村さんの人生。息子の無実を信じて1000通近い手紙を送って無念のうちに亡くなった母。大きな事件の後の村の雰囲気。

この映画は司法のあり方を問う映画だとおもう。しかし、その事以上にこの事件によって人生を狂わされてしまった人たちのことへと思いが飛んでいく。

たとえば村人への取材とそれに対する村人の態度。
整合性がないことは誰にでも分かっているはずなのに、奥村氏を犯人として一件落着させ、そのために証言を変えたりする。結局犯人はどういう動機でぶどう酒に毒を入れ、どんな気持ちで村で生き続けたのだろうか?いったいどんな人生を送って来たのだろうか?
その人生は確定死刑囚として獄に繋がれた奥村氏とはまた別の地獄を生きているのだろう、と思うとこれもまた重たい話しだ。

今日のトークショーには監督、若い頃の奥村氏を演じた山本太郎さん、そして弁護団の1人の河井弁護士の3人だった。
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太郎さんが来ていたので話しは原発の話しへとなっていくのだけれど、わたし達が無実かどうかは別として、獄に繋がれて死の宣告を待っているのはキロ当り100ベクレルまでは安全です、として食べさせられているわたしたちも変わりない。

とても重いテーマだけれど、映画として素晴らしく良くで来ている。仲代達矢さんと樹木希林さんの演技がすばらしい。もちろん太郎さんの演技も、寺島しのぶさんのナレーションもすばらしい。

斎藤監督は何度も山本さんが今俳優としての仕事が少なくなってしまったことを「こんないい俳優を使わないのは惜しい、損失だ」とまで言っていたのが印象的だった。
(太郎さんごめんなさい、うちテレビなしライフを22年くらい続けてるので、311まで太郎さんのこと知りませんでした)

えん罪となったわけではない、確定死刑囚の映画に出ることについて仲代さんも希林さんも躊躇があったという。だけど監督から渡された名張毒ぶどう酒事件の資料を読んでお二人とも出演を決意されたらしい。「この先の俳優人生といってもそれほど長いわけじゃない。批判を受けるなら受ければ良い」と。
それだけの覚悟をしての映画出演だったそうだ。

現在奥村氏は八王子の医療拘置所で寝たきりの状態でまだ無実を訴え続けている。司法は奥村氏が死ぬのを待っているように見えるという。

河井弁護士が「えん罪事件も原子力も根っこでは繋がっている」とおっしゃっていたけれど、まったくその通りだと思います。

横川シネマさん、貴重な機会をありがとうございました。

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