「鉄くず拾いの物語」

見たい映画が溜まってしまった。
溜まったといっても劇場まで足を運んでみるのだから、見たい映画が色々ある時は上映時間やその時の気分で選ぶことになる。

夫が50才を過ぎてから、映画は2人で行くようになり、彼とわたしが見たい映画に行くことになる。仲がいいっていうのとはちょっと違うような気もするけれど、世間的には仲良し夫婦に見えるのかもしれない。そもそも夫婦50割引は50才を過ぎた夫婦が揃って映画を見にくることは少ないという前提での割引に違いないと思っている。

「鉄くず拾いの物語」
http://www.bitters.co.jp/tetsukuzu/

ボスニア・ヘルツェゴビナに住むロマ(ジプシー)の夫婦の身に起きたことをほぼ同じ登場人物が過去を振 り返るようにカメラの前で演技をするという変わった手法の映画。
もちろん登場人物は役者じゃない。ドキュメンタリーじゃないから演技をしているわけだけど、ちょっと淡々とした感じがカメラの前で事件と物語が進行しているような気がしてくる。(以下、ネタバレありですが、ストーリーのオチを知ったからと言ってこの映画の価値が変わるものではありません)

鉄くず拾いで生計を立てる夫婦の妻が流産し、胎内に残る胎児を掻爬しないと命が危ない、というのに保険もなければお金もなくて手術が出来ない。

ここで物乞いや犯罪に手を染めるのか、とおもいきや、主人公は必死で鉄くず拾いをする。しかし運の悪いことに、なんとか走っていた車まで故障してしまう。

もう一度病院に行ってみるがお金がないと手術はできない、と断られ、ロマの支援をしているNGOに相談に行って交渉してもらうように話しをつけるが、肝心の妻が「どうせまた断られるわ」と行こうとしない。

結局保険証を借りて、車も借りて手術にこぎ着けるが薬代や電気代を捻出するために自分の車を解体してクズ鉄屋に持って行くことでなんとかお金を工面する。
動かないとはいえ、車を解体してしまうシーンは胸が潰れそうだけど、そのお金で電気代を払って薬を買った主人公はどこかサッパリしている。

主人公が住む村は道路も舗装されておらず、主人公が鉄くず拾いで細々と生計を立てて暮していることから、これといった仕事もなさそうで、とても貧しそうだ。

NGOの人と車に乗っている時、主人公は戦争の話しをする。全線で闘った。弟は戦死した。思い出したくない。年金も恩給もなんにもない。戦争に行ってたことなんか言えない。

ロマのような被差別者を前線で使って戦わせ玉除けにして後は知らんぷりなんだ、ということがこの短い会話で分かる。この人は戦場から生還して、家族を得て悪事に手を出さずつつましく生活していた、その妻の命が脅かされているのだ、と知れる。このシーンは淡々としているけれどこの物語のハイライトだろう。

結局、この映画は
ベルリン国際映画祭で賞を受け、その結果主人公は健康保険と定職を得ることができたという。この物語では流れてしまったが、後にちゃんと子宝を授かって、映画監督の名前をつけている(ということは男の子ね。)

新聞記事で知った夫婦のことを映画にしようと思った監督も監督だけど、そのままの登場人物にその時のことを演技させて、それを9日で映画にしてしまうという技法、登場人物のちょっとよそよそしいような淡々とした演技がすごく余韻を引くのでした。
主人公一家に、村の人たちに幸あれ!と願うのです。

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