またまた食品のアレコレについて考えること。

わたしの料理教室の生徒さん、チョコレートや甘いものが大好きで、仕事が忙しい時は「料理してる時間が惜しい」とカップ麺などで食事を済ませていた人だった。

なんでウチの料理教室に来るようになったか、といったら、「やっぱマズいよな、なんとかしなくちゃ」と思ったからだったようだ。

彼女は31才で乳がんがわかり(もうすでにかなり大きく育ってた)、壮絶な闘病の末、34才で亡くなった。
彼女もご家族も本当に無念だったと思う。わたしも無念だし、彼女のことを忘れる日はない。

「身体に悪いもの食べちゃダメよ」と言うと、怒り出す人がいる。

「そんなヒマがない」「金がない」「余裕がない」「あんたの言うこと聞いてたら食べるものがなくなる」「わがまま言うな」

それに加えて今は「絆」だ「食べて応援」だ。

でも待ってほしい。あなたが食べている安くて便利な食べ物はその安さや便利のために動物だったり、そこで働いている人だったりの犠牲の上での安さであり、便利なのかもしれません。

身体に良い食生活というと、オーガニックな野菜を取り寄せて、マクロビとか、ナチュハイみたいな特殊な健康法をやったり、菜っ葉ばっかり食べる甲田療法のような、「そんなもの食べて健康になるくらいやったら、好きなもん食べて死んだ方がマシ!」とおもうような食生活を想像して嫌悪するのかもしれません。

わたしの両親も身体に良い食習慣なんて大嫌いな割りに、テレビで話題になる身体にいいものは大好きだったりする。自然食や食養生なんてものは激しく憎んでいる。

病気でもないわたしが生菜食だ、食養生だ、断食だ、ってことを趣味にしているのは、食品添加物の害についてのいろんな本を読んで、アレもコレも、自分に当てはまることばかりだったからです。

食品添加物の害関連の本は夫が仕事に使うために集めていたものだから、自然と家では添加物抜き、化学調味料抜きの料理を作るようになって、驚いたことに自分の身体、いや、身体よりも精神とか、脳の働きが変わったのです。
以前は頭の中に霧が掛かっているような感じがしていたし、感情を爆発させて収集つかなくなって怒り狂っている自分を斜め上から見下ろしていたり、疲れやすかったり、疲れると何も考えられなくなったり。
何よりも、ハッピーじゃなかったし、気持ちも前向きじゃなかった。頭の中に霧が掛かってたのだから、ハッピーになりようもないというものです。もちろん、便秘でした。

食べ物に気をつけて病気が治ったとか、○○キロ痩せた!とかなら分かりやすい話だけれど、わたしの場合はあまり目に見えないけど、自分としてはまったく別の人生を歩んでいるくらい違う人になった。

「あんたは時間があるから」「お金があるから」とまた言われてしまうのだけど、なにも便利と安さのために毒の入ったものを食べて、頭の回転や霊性、精神の自由を濁らせて、どれほどの時間とお金が節約できるというのか、よく考えてほしい。

藤原新也さんの会員制サイトでミルクチョコレートの話しが書いてあった。
藤原さんの知り合いでアメリカ在住の人との話しの中から出てきた話し。

乳牛が悲惨な状況で飼育されている話しは有名だから、みなさんはご存知だと思うけど、病気になるような過酷な環境で、薬漬けで絞られたミルクの中で血や膿みが混じる乳は加工乳に回されるらしい。

そう、チョコレートに入れちゃうと白くないミルクでもわからない。

だから、アメリカでその人はミルクチョコレートは食べないんだそうな。

「日本の事はしらないが、たいして違いはないだろう」

安い、便利、お手軽、には必ず理由がある。中国の肉が期限切れだったと大騒ぎになっているけれど、チキンナゲットなんて、何が入ってるか知れたものじゃない。色も香りも味も科学技術でどうとでもなるのだ。肉が期限切れだったと大騒ぎになっていることのほうがビックリだ。

食べるものは命そのもの。食べ物自身も命だし、食べ物を作る人だって、食べる人だって命を繋いでいるんだと思う。「そんなヒマはない」などと言わないで、自分で食べるものくらい料理したほうがいい。自分で料理できないようなものは、ちゃんと訳のわかった人が作ってくれるものを買うしかない。安くはないけど、当たり前の材料で当たり前に作ったら、それなりの値段になる。

高いから時々しか食べられない。チョコレートなど身体のためには時々だけ食べれば良い。徳用袋を抱えて食べるようなものじゃない。

料理だって、手の込んだこと、店の料理みたいなことはする必要はない。季節に手に入る材料で、自分の食べたいものを作れる技術があれば、毎日自分の好きなものばかり食べて暮すことができる。

健康に良いものは別に特殊な食事方でも、特殊な調理法でもない。顔の見える人が作ったものを自分の好きな料理にするだけなのです。
身体に良い食事法をするより、身体に悪い、本来食べ物ではないものを身体の中に入れないことの方がよっぽど大事だし、そのためには料理は自分で作るか、大金持ちになるか、2択なのです。

食べるものを自分で作ることは生活の自治だと思うのです。

乳がんで若く散ってしまった彼女は闘病中、「料理塾に行けてよかった」と友達に語ったらしい。わたしはもっと強く言うべきだったか、未だに考えている。彼女は彼女なりに精一杯生きたけど、悔いがあっただろうと思うと切ないのです。
それ以来、教室に来てくれる人にはこれも縁だと思うから、厳しいことを言ってしまうようになりました。(病気になったことを責めたりはしないんだけど)縁のある人には、自分の問題から逃げ出さず、人生と向き合って、今生を生きてほしい、人生を楽しんでほしい、と思うのです。

ストイックに生きるのも、好き放題に生きるのも、その人の選択だし、長生きするのが良いとは思わないんだけど、悔いが残るような人生はちょっと残念なのです。

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くるくる回るベンガル料理。今日苦瓜炒めを作り足して、在庫終了になりました。冷蔵庫があって良かった!



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コメント

みんな何かを選んで食べてるんだけどね。

>自分としてはまったく別の人生を歩んでいるくらい違う人になった。
これって、何キロやせたどころじゃないわかりやすい話ですね、わたしにとっては。すごいなあ、この実感。そして、それを伝えてくれるぺんぎんさん、すごいわあ。朝から元気をもらった感じです。どうもありがとう!

No title

ぺんぎんさんのおっしゃること、とても良くわかります。日本人は食事に関する術は、戦前に比べて、明らかに劣ってしまったと思います。栄養素だけを追い求めているような気がします。
「食べる物を作ることは生活の自治」という言葉に納得です。(菊^――^菊)

別の人

ふーむ。

こうやってぺんぎんさんが言語化してくださったのでわかったのですが、私もゆるーくローフードでゆるーくベジタリアンになってから、別の人生を歩んでいるのかもしれません。
別の人生、別の人格に成ったから今の生活が成り立っているのかもしれません。

いくら時間と手間がかかったとしても、自分の精神状態をを維持するためには自分で料理することが不可欠ですね。

なんだか周りを見ていると「自分を慰めるために食べている」人が多すぎる気がします。

Re: みんな何かを選んで食べてるんだけどね。

> rantanaさん
コメントありがとうございます。

思うのですが、精神的な輝きみたいなものってオーラとなって全身を包むから、外見や引きつける人たちも変わってくるんじゃないかと思います。
アンチエイジングとかも見た目よりも中身磨きのほうが大事だし、中身を磨くためには、精神の働きを鈍らせたり、濁らせるようなものに触れちゃいけないってことだと思います。

Re: No title

>菊さま〜。
日本人ってほとんどまともに食べられなかったのに、急に色々食べられるようになって、栄養がどうだと言いはじめる人がいて、こんなことになっちゃったんじゃないかとおもいます。
なんか自分が着物を着るようになって、衣生活についてのアレヤコレヤが食べ物についてのアレヤコレヤと同じだなぁ、と思うこと多いです。昔が良いとは言いませんが、昔は贅沢するほどものもなかったんだと思います。

人間が劣っているのは、予防注射、化学物質や放射能に加えて、テレビ、パソコン、ゲームやパチンコなどの刺激で劣化してるように思います。明治時代の一高生は英語の他にドイツ語やフランス語を読んで、漢文はもちろん読んで、って・・・今そんな人麻布高校にもいないでしょ。

菊さまたちは食べるものを文字通り種から作ってるんですものね。素晴らしいです。

Re: 別の人

> habezoさん
どんな食事法よりも、まずは有害物質を抜くことが大事だと思います。もちろん、肉食を減らすことも。普通の人は三食肉魚食べてますから・・・

わたしも自分を慰めるために食べてるんですが、自分を慰めるにはやっぱり有害物質を含まない食べ物でないと。みなさん、自分が作っても美味しく出来るわけない、って思い込まされてるので、つい手軽なものを買って食べてしまうんだと思います。

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