インドでの伝統衣装世界からあらためて日本の着物の未来を考える

インドを中心とする南アジア地域は伝統衣装が男女共に普通に着用されている社会で、未開の地ではなく、宗教的な理由ばかりでもなく西洋衣装と混在しながらも伝統衣装が普通に着られている地域は少ないのではないかと思います。

宗教的な理由はもちろんあるんですが、例えばヒンドゥーの男性の正装の腰巻ドーティーと普段着のルンギの違いはあっても伝統衣装が宗教的な理由を超えて当たり前の衣服として今も普通に着用されています。

女性の衣装でいえば、インドは肌や身体の線を見せることに寛容なので、イスラム圏よりも西洋衣装率が高いですが、それでもサリー着てBMWを運転する奥様もいれば、サリーでバイクやスクーターにまたがる奥様もいらっしゃるし、パートナーや家族のバイクの後ろに横座りしている姿も当たり前に見かけます。

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スクーターの奥様後ろのひらひらは前に持ってきて挟んで危険がないようにしています。

つまり、伝統衣装はごく普通に着られているのです。

わたしは日本の伝統衣装である着物の伝統はもうすっかり死んでしまったと思うのは、南アジアのように伝統衣装がファッションとして普通に生きてないと思うからです。

たとえば、伝統衣装に流行がある、と日本で話すと驚かれます。バングラデシュでは毎年イード(イスラムのお祭り)のころになるとファッションコンテストがあって雑誌では今シーズンのトレンドや各ブランドの新作を発表する大特集を組みます。インドでもイードでなくてもなにか服を新調する時期にはこんな特集が組まれることでしょう。

道端で見かけた広告
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女神像と変わらない。さすがにヒダがきれいにとれています。この腰からななめにカーブするヒダがサリーの素敵なところです。そして後ろに布が垂れて、この背中の布の部分をアチョールと呼びますが、ここにきれいな模様が入ってることが多い。
後ろに長く垂れた美しい布が黒髪とともに揺れて、風になびく。後ろ姿がきれいなんです。もちろん、インドは世界一の美形国なので、前から見てもきれい。

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銀行でお祭りの準備をする女性。ケララ特産のサリーを着て正装しています。木綿のものでも伝統的な手織り布は正装になるんですね。

そしてこちら。
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巡礼のおばさんたち。普段着の木綿のサリーを着てくつろいでいるところ。おじさんも普通の伝統衣装姿です。

上等の正装用のサリーと普段着サリーは長さが違うくらいでしょうか?巻き方は最初の上の3枚は同じ巻き方、最後のくつろぎ着はベンガル人の庶民が家の中で着る巻き方です。

サリーは暑いし動きにくいから着ないという人もいますが、西洋衣装よりもサルワール・カミュージュとか、パンジャビドレスといわれるワンピースにズボン付き、胸には長いスカーフという衣装を着ます。これはパンジャブやパキスタン方面の伝統衣装でこちらの方は細身になったり、丈が変わったり、と結構はっきり流行があります。

サリーとパンジャビドレスを合わせたら女性の伝統衣装率は80%を超えるんじゃないでしょうか?学校の制服も子供以外は伝統衣装風のツーピースになります。

インドにこれだけ伝統衣装が残っているのはインドがまだ遅れているからだ、と考える方もいるかもしれませんが、わたしはそんな風に思えません。

ガンジーが糸紡ぎをしてイギリスから独立した運動は糸紡ぎというシンボルに象徴されるように、伝統衣装の力を知っていたのだと思うのです。

ガンジーは腰巻と杖と肩からかけた一本の紐の姿で、これを見るとよく知らない外国人は無所有とか、清貧なんてことを考えるでしょうが、あの姿はブラフマンの姿で、彼のカーストを表していて(紐は聖紐)清貧ではなく正装なんです。

だから南アジアから伝統衣装を着る人がなくなることはきっとないだろうな、と思った今回の旅でした。

布の聖性を尊ぶのは解けば8枚の長四角の布に戻る着物にもその精神が引き継がれていると思います。だとしたら、着物の未来はガンジーが説いたアヒンサー、非暴力不服従の精神を包む衣装になるのだと思うと着物の未来が見えて来るような気がします。

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最近涼しくなったので、座り仕事のときは着物で作業。延々とボタンホールを縫ったのでした。

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