石内都さん講演会

舞台挨拶の翌日、市立大学での講演会にも出かけてきました。
舞台挨拶は紺の着物だから、赤い着物で行こう。帯も名古屋帯(写真なし)。

講演のテーマは「ひろしま」

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石内都さんがひろしまの遺品を撮るようになったいきさつは、お母さんの遺品の写真集を出したのがきっかけで、キュレーターで編集者の人に「広島にはアートしか残らない。広島の遺品撮りませんか?」と声をかけられたのだそうです。んで、資料館の遺品を撮ることになって初めて広島に来たのが2007年、現在でも遺品の撮影は続いているのだそうです。

資料館の遺品はいろんな方が撮影されてますが、どれも資料として撮影されているので、違う写真にしようと思ったそうです。

きれいに撮りたい!かわいく撮りたい!と撮った広島の遺品は本当に美しい。

戦争中のことだけど、こんなきれいな服を着てたのか(でも後ろ半分は焼けてボロボロ)。手縫で縫われた洋服はその人がどれだけ大事にされて育てられたかがわかります。つぎの当たったセーラー服だってなんだって、原爆で焼かれた人たちの文化的で豊かな暮らし振りが伝わってくるだけに胸に迫るものがあります。

資料じゃなくて、人が着ていた服なのよ!とダイレクトに伝わるのは写真家の技量だし、「きれいに撮りたい」という想いに遺品が応えたようにも思えます。

講演の話題はひろしまの撮影だけじゃなく、フリーダ・カーロの遺品の話しも、横須賀の話しも。
「女性アーティストの人生はスキャンダルにまみれて伝えられますが、実は何もしていない時間が圧倒的に長いんです」

とおっしゃっていた。そりゃ当たり前だ、生活している時間がほとんどだよなぁ。と妙に納得した。

しかし、「広島はアートしか残らない」と遺品の撮影に石内都さんを起用しようと思ったキュレーターは慧眼だし、被爆遺品を持ち主の体温まで感じさせるような美しい写真に仕上げる石内さんも素晴らしい。どんな言葉よりもあの朝広島に起こった出来事を見る人に伝えるもの。

つまり、家族に愛されて、きれいな絹のワンピースを真夏の朝から着ていたような、文化的で文明的で愛情に包まれていた女の子が無残に焼かれたってこと。

質疑の時に広島の”伝承者”という女性が石内さんの写真はきれいだから具合悪い、とご意見なさった。彼女にとって広島の遺品は悲惨でなければ都合が悪い。だから石内さんのかわいい、きれいなワンピース、絹の服なんて広島の被爆者のイメージに合わない、と言いたいようです。

「それは違います。わたしはわたしの写真にしか責任がとれない。あなたはあなたの立場で広島の話しをなさればいいし、わたしはわたしの立場でしか写真をとれません。広島にはもっと外の人を入れて解放してあげないと。とってもがんじがらめな感じがする」とおっしゃっておられましたが、わたしも20年広島に住んでいて本当にそう思います。

「だから、広島でもっと話しをしないといけないと思っています」ともおっしゃってました。

なんか広島に住んでいて感じる違和感の姿を見た気がしたのでした。

写真家で何冊も写真集を出すことができる人も稀だけど、ほんとにこの人は美術表現としての写真でご飯食べてる人なんだ、って思った。

ちなみに、写真は独学で、写真より前に暗室に出会ったんだそうです。暗室作業が染物と同じだって。なるほど、出発点が違うから見方も技法もオリジナルなんだなぁ。そういえば、藤原新也さんも写真は独学ですね。

来年2月まで開催中のゲッティーミュージアムでのオープニングレセプションにはこの日のために誂えた着物でご出席だったそうです。
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ゲッティーミュージアムのサイトに石内さんのトークの音声ファイルがあるので、英語のヒアリング兼ねてどうぞ。
http://www.getty.edu/art/exhibitions/ishiuchi/

広島に住んでいて生のアーティストトークを聞く機会はあまり多くないですが、良い刺激になりました。
わたしもお仕事がんばります。

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