長期断食と病気の最期。

父は10月ごろから極端に食が細くなって、一度の食事で本当にほんの少ししか食べなくなって母を困らせていました。

そうなったら、もともと嫌いなものは食べない。んじゃ何が好きって・・・永◯園のお茶漬けのりだったりするわけで、人の嗜好などそんなもんで、最期に食べたいものなんて、ごくありふれたツマラナイ食べ物なんでしょう。

11月の半ばにわたしが行った時、(入院の2週間前)自分用にブロッコリーのパスタを作ったものを少し分けてあげたら、とても喜んで食べたってことがあったっけ(ちょっとだけ)。
帰る前に作っていけというので、作ったら、父がほんの2口くらい食べて、残しているので母が食べてしまったら、父が怒って、帰りの車の中にいるわたしに母が慌てて電話を掛けてきて作り方を聞いたっていうこともあったっけ。

とにかく、入院前も半人前どころか、一口、二口しか食べない。ただ、回数は多かったかなぁ。でもいくら老人とはいえ食べる量が少ないのは気になるほどでした。

入院後、ますます食事の量は減って、最期の一週間は病院のおかゆも付き合いでほんの2さじくらい食べるだけ。スプーンで食べさせるので、分量も5ccくらいだったかもしれません。
病院の食事はとても美味しいのですが、まったく食べないこともあったし、お茶や水もほんの一口飲む程度。

これじゃまるで長期の断食みたいです。

ところで話は変わるけれど、子宮筋腫をなくすために2週間の断食をした友人がおりました。彼女は、ご両親とお連れ合いの4人で暮らしていたので、自分は断食しながら家族の食事の準備を三度三度きちんとしての断食でした。

断食の後にあれこれ根掘り葉掘り聞いたというか、彼女はとても詳細に説明してくれる人なのですが、最初の3日くらいはとても辛いのですが、それが過ぎたら食べないことはなんともなくなって、一週間過ぎたあたりからと〜っても爽やか〜で爽快になるんだそうで、食事の準備もまったく苦にならず、デザートまで作るほどだったんだそうな。

どんなに気持ちがいいかというと・・・

「草原で風に吹かれている感じ」

「即身成仏するボンさんってこんなにいい気持ちを味わってるんだわ」と語ってくれました。もちろん、断食があけてからの回復食が大変なのですが、食べない時の気持ち良さというか、なんともハイな感じって、一日の断食でもハイになるのでわかるような気がします。

んで、父の話ですが、食べない、ちょっとしか飲まない。でもちゃんと出るものは出てる、という状態。「ご飯きたからちょっと食べようね」と無理に食べさせなかったらもっと食べなかっただろう。

父の好きなプリンとか、美味しいフレッシュなジュースなども用意しなかったら、もっと食べなかっただろうし、食べかたを見てても、浮世の味を味わってるという雰囲気で、栄養とか、代謝はまったく関係ない感じでした。

で、栄養失調でガリガリになるかといえばそうでもなく、顔がほっそりしておばあちゃんによく似ててきて「お父ちゃん、おばあちゃんによぉ似てきたなぁ〜」というと「そぉか〜?、おまえもお母さんによぉ似てきたでぇ〜」と言ってたっけ。

寝っぱなしだから、脚も細くなったし、背中の肉もなくなって、お腹は腹水&ガンでタプタプはしていたけど、ひじや膝の関節が飛び出すような痩せかたはしていなかった。

今から思えば、長期の断食断水をゆるやかにやっていたみたい。意思で断食断水をしたというんじゃなくて、身体が水も食べ物も求めなかったから欲しくなかったという感じだった。

食べられるようになったらまた元気になって家に帰れる、と希望を持った家族もいたけれど、母はわりと早い段階で、無理に栄養を入れて苦しみを長引かせることはない、と思っていたみたいだった。

食べなかったことで父の最後は穏やかだったし、まったく食べないわけじゃないことで、家族も安心して看病が出来たように思う。ぜんぜん食べない人を看病するのはものすごく辛いだろう。断食断水の最期を迎えるにしても、ちょっとくらいは食べたり飲んだりしたほうが親切だなぁと妙なところで父は優しさを発揮するわけで、やっぱり「そこ、違う!そうじゃない!!」という感じがする困った人なのです。

そういえば、お見舞いに来る人が栄養の点滴しないの?と聞く人いたなぁ。自分が死ぬ時、食べたくないのに点滴で栄養入れられたいか、お腹に穴をあけてそこから胃に甘くてドロドロの栄養を入れてほしいか、そんなことも考えないといけないわけです。

食べない人を見送る。見送る側にも覚悟がいるし、それを支えてくれる医療スタッフがいたってことは、もしかしたらすごいことんじゃないかしら?とこの文章を書いていて思いました。

つーか、病院は儲からないよねえ。なんか、ほんとにありがとう、淀キリ。

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コメント

No title

枯れていく植物は根っこに力がないので水も栄養も吸収できませんもの。人間だって同じなんですね。無理やり点滴して、栄養注入して、誰のためなのかと思います。ペンギンさんのお父様、良い病院で最期を終えられましたねえ。というか正しい知識を持たれた良い家族に看取られたんだと思います。

Re: No title

> 菊さま〜。
そうですよねえ。枯れていく植物って水を揚げなくなりますもんねえ。
こんなところで健康オタクの知恵が活かされましたが、そもそも青泥とか断食とかし始めたのは、父が反面教師になったことが原因なので、やっぱり何事も意味があるのですねぇ。

途中から参加した兄は、母に対して「栄養注射したらいいんじゃないか?なんでしないんだ!」と言ったんですが、母は「そんなことして、苦しみを長引かせて何になる!」とピシャリと言って兄は何も言わなくなったんです。母の鶴の一声がなければ、兄の希望で延命治療されるところでした。

医療の処置をリクエストしたのは、歯が痛いことと、狭心痛?(しかも右だし)だから心電図を取れ!と言っただけでした。
食べられないから人工栄養ってのは望まなかったんですよ。

お医者って自分がどういう状態で何をされているのかよくわかっているので、お医者の最期はなかなか大変だと聞きますが、父の場合、本人にとっても理想的な最期だったでしょうねえ。

それなのに、あんなに悪態ついて、あの人は・・・・最期まで色々残念なのです。

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